アトピー性皮膚炎の治療|生物学的製剤(注射治療)について|五反田品川ひらた皮ふ科|五反田駅より徒歩7分の皮膚科・美容皮膚科

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アトピー性皮膚炎の治療|生物学的製剤(注射治療)について

アトピー性皮膚炎の治療|生物学的製剤(注射治療)について|五反田品川ひらた皮ふ科|五反田駅より徒歩7分の皮膚科・美容皮膚科

アトピー性皮膚炎の治療|生物学的製剤(注射治療)について

アトピー性皮膚炎で、外用薬などの治療を続けていてもなかなか良くならず、かゆみで眠れない、かき傷が増えていくといったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
近年では、こうしたアトピー性皮膚炎の中等症から重症の方に対して、今までの治療に加えて炎症やかゆみの原因に直接作用する生物学的製剤(注射治療)を用いた治療が可能になっています。

今回のコラムでは、生物学的製剤の適応や効果、薬剤ごとの違い、当院での治療について解説します。

アトピー性皮膚炎の治療|重症度に応じた治療選択

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能の低下を背景に炎症とかゆみが生じます。
掻くことでバリア機能がさらに低下し、炎症やかゆみが悪化する悪循環が起こります。

アトピー性皮膚炎の基本的な治療は、主に以下の3つです。
スキンケア:保湿剤によるバリア機能の維持
外用療法:ステロイド外用薬、カルシニューリン阻害薬、JAK阻害薬、PDE4阻害薬、AhR調整薬など
悪化因子の対策:汗、ダニ、ハウスダスト、ストレスなどの回避

これらを適切に行っても症状が改善しない中等症〜重症の方に、生物学的製剤(注射薬)や内服薬、光線療法を組み合わせた治療を検討します。

アトピー性皮膚炎の原因や治療の基本について、詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

生物学的製剤とは|炎症やかゆみの原因に直接アプローチする治療

アトピー性皮膚炎の炎症は、主にTh2細胞を中心とした2型炎症反応によって起きています。
生物学的製剤は、皮膚の2型炎症(アレルギー反応に関わる炎症)のシグナル伝達となる、サイトカイン(IL-4IL-13IL-31など)の働きを選択的に抑え、炎症やかゆみの改善を図る薬剤です。

生物学的製剤の治療の適応について|どのような方が対象か

適切な外用療法を行っても十分な症状コントロールが難しい方や、中等症から重症の患者さんに使用します。 

2026年4月現在、以下のような生物学的製剤があります。
・抗IL-4/抗IL-13受容体抗体(デュピクセント)
・抗IL-31受容体抗体(ミチーガ)
・抗IL-13抗体(アドトラーザ)

生物学的製剤の治療では、皮膚の赤みやかゆみ、乾燥が続く間は、外用薬や保湿ケアも一緒に続け、症状が早く治るように治療を進めます。

現在当院では、18歳以上の方を対象にデュピクセントやミチーガの治療を行っています。

デュピクセントについて|適応と副作用について

デュピクセント(デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎における炎症やかゆみ、バリア機能低下に関わるサイトカイン(IL-4、IL-13)の働きを抑える薬剤です。

適応は、アトピー性皮膚炎と診断され、重症度に応じたステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬による適切な治療を6ヶ月以上行っても、赤みやぶつぶつ、ごわごわとした湿疹や掻き壊しが強く続く場合に検討されます。
その際には、皮疹の状態や重症度を示す指標(EASIスコア)や、皮疹の体表面積などをもとに、適応基準を満たすか総合的に判断します。
適応年齢は2023年より生後6ヶ月以上に拡大されています。

治療効果については、16週間の臨床試験において、約7割の方で皮膚症状が大きく改善し、約8割の方で半分以上の改善が認められています。
また、かゆみへの有効性も認められています。

投与について
投与方法2週間ごとに皮下注射(自己注射も可能です)
 効果判定の目安として、まず4ヶ月程度継続します。
主な副作用:結膜炎、注射部位反応(注射部位の発疹・腫れ・かゆみなど)、単純ヘルペス、皮膚感染症など
投与できない方:デュピクセントに含まれる成分でアレルギー反応を起こしたことがある方
注意が必要な方:生ワクチンの接種予定がある方、寄生虫感染がある方、アレルギー性疾患がある方(喘息、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)、蕁麻疹がある方、妊娠中および妊娠の可能性がある方、授乳中の方、高齢の方
※アレルギー疾患や蕁麻疹の治療薬は自己判断で中止せず、必ず主治医の指示に従ってください。

参考:デュピクセントを使用されるアトピー性皮膚炎の患者さんへ(サノフィ株式会社HPリンク)

ミチーガについて|適応と副作用について

ミチーガ(ネモリズマブ)は、かゆみを伝えるサイトカイン(IL-31)が末梢神経に作用するのを防ぐため、その受容体に結合して直接かゆみを抑制します。

IL-31は、かゆみだけでなく炎症や皮膚のバリア機能にも関与していると考えられています。

適応は、アトピー性皮膚炎と診断され、外用治療や内服治療などを適切に行ってもかゆみが強く残り、日常生活に支障がある場合に治療選択肢となります。
その際には、かゆみの程度(そう痒NRSなど)や皮疹の状態(EASIスコアなど)をもとに、症状の強さや重症度が適応基準を満たすか総合的に評価します。
適応年齢は13歳以上です。

投与について
投与方法:4週間ごとに皮下注射(自己注射も可能です)
 効果判定の目安として、まず4ヶ月程度継続します。
主な副作用:注射部位反応(発疹・腫れ・かゆみなど)、単純ヘルペスや膿痂疹(とびひ)などの皮膚感染症、上気道炎、アトピー性皮膚炎の悪化など
投与できない方:ミチーガの成分に対して過敏症の既往がある方
注意が必要な方:生ワクチンの接種予定がある方、長期のステロイド内服療法を受けている方、妊娠中および妊娠の可能性がある方、授乳中の方、高齢の方

参考:アトピーのみかた ミチーガについて(株式会社マルホHPリンク)

デュピクセントとミチーガの違い|症状に合わせた使い分け

上でご説明したように、それぞれ作用する機序や特徴が異なります。
そのため、中等症以上で適切な外用治療を行っても十分な効果が得られない場合には、現在では次のように使い分けることが一般的です。
 ・デュピクセント:皮膚の炎症全体を抑える治療で、全身または顔・頭でみられる強い赤みやぶつぶつ、皮膚のごわつきといった症状が強い皮疹の改善に加え、かゆみやバリア機能の低下へも作用します。
 ・ミチーガ:かゆみの伝達を抑える治療で、皮疹は中等症程度でもかゆみが強く、日常生活や睡眠に影響が出ている場合に検討されることが多く、かゆみの軽減を通じて症状の改善を図ります。

実際には、診察で症状の程度やこれまでの治療経過などを踏まえて使用を検討します。

デュピクセントとミチーガの費用|高額療養費制度について

生物学的製剤による治療は効果が期待できる一方で、薬剤費が高額になることがあります。
ただし、保険診療で行われるため、自己負担額は年齢や所得に応じて一定の上限が設けられています。

・薬剤費の目安
デュピクセント、ミチーガともに、保険適用での自己負担(3割負担)の場合、1回あたり数万円程度のご負担となることが一般的です。
実際の費用は体重や投与量、通院・投与間隔などによって異なります。

・高額療養費制度について
医療費の自己負担が高額になった場合には、「高額療養費制度」により、1か月あたりの自己負担額が一定の上限までに抑えられます。
この上限額は、年齢や所得区分によって異なりますが、制度を利用することで実際のご負担は大きく軽減される可能性があります。

制度の詳細については、下記の公式サイトをご参照ください。
 全国健康保険協会(協会けんぽ)HP:高額療養費について
 厚生労働省HP:高額療養費制度について(お問合せ先のご案内もあります) 

治療の流れ|通院や自己注射について

診察では、症状やこれまでの治療歴・経過、外用治療の状況などを確認し、適した治療方法についてご相談いたします。
(※当院では18歳以上の方を対象に治療を行っています)
生物学的製剤の薬剤を使用することが決まりましたら、薬剤準備のためその次の受診から治療を開始します。

治療開始後は、デュピクセントは2週間ごと、ミチーガは4週間ごとに皮下注射を定期的に行います。
また、効果を十分に得るためには、外用治療や保湿剤の継続も重要です。

注射は、初回はクリニックで実施し、その後はご希望に応じて自己注射への切り替えが可能です。
自己注射をご希望の場合には、手技についてご説明し、ご自宅や旅行・出張先でも治療を継続いただけます。

なお、ご予約の際に生物学的製剤による治療をご検討中であることをお伝えいただくと、診察がスムーズです。

これまでの治療で十分な改善が得られなかった方も、アトピー性皮膚炎の治療にはさまざまな選択肢がありますので、ぜひ一度診察でご相談ください。

■関連コラム
  アトピー性皮膚炎とは|原因・症状と治療について

執筆:五反田品川ひらた皮ふ科 平田佳子
皮膚科専門医として、一般皮膚科から美容皮膚科まで診療しています。
症状や患者さんのライフスタイルに合わせ、
一緒により良い皮膚を目指す診療を心がけています。
品川区の五反田・大崎・高輪エリアで皮膚科・美容皮膚科をお探しの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

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