アトピー性皮膚炎とは|原因・症状と治療について|五反田品川ひらた皮ふ科|五反田駅より徒歩7分の皮膚科・美容皮膚科

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アトピー性皮膚炎とは|原因・症状と治療について

アトピー性皮膚炎とは|原因・症状と治療について|五反田品川ひらた皮ふ科|五反田駅より徒歩7分の皮膚科・美容皮膚科

アトピー性皮膚炎とは|原因・症状と治療について

アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下やアレルギーなどが関与する慢性疾患です。
赤みやかゆみなどの症状が続くことで、「着たい服が着られない」「仕事や勉強に集中できない」「夜にかゆみが強くなり十分に眠れない」など、子どもから大人の方まで、生活の様々な場面で支障をきたすことがあります。
アトピー性皮膚炎の方は皮膚が敏感で刺激を受けやすいため、治療で症状を十分にコントロールし、良い状態を保つケアを続けることが大切です。

今回は、アトピー性皮膚炎の病態や症状に関わる要因、治療法について解説いたします。

アトピー性皮膚炎の原因|バリア機能低下と症状への関連因子

アトピー性皮膚炎の方では、
・皮膚のバリア機能(主に角質層の保湿因子の減少)の低下
・アトピーを起こしやすい体質(アトピー素因
により、皮膚が過敏な状態になっています。
そのため、かゆみを伴った湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりするのが特徴です。

さらに、次のような因子が絡み合い、かゆみや湿疹が引き起こされます。
アレルギー反応
 ダニ、ハウスダストなど。乳児では食品が関与する場合があります。
合併症
 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など
遺伝的要素
 家族にアトピー性皮膚炎の方がいらっしゃることも多く、遺伝的要素の関連も知られています。

皮膚バリア機能|角層バリア機能、かゆみについて

皮膚は、外からの刺激や微生物から体を守り、体内の水分や必要な成分の喪失を防ぐ「バリア」としての機能を持っています。
このバリア機能は、主に最外層の角層と、その下の表皮顆粒層に存在するタイトジャンクション(細胞同士を密着させる構造)がその役割を担っています。

角層間脂質の減少とフィラグリン遺伝子変異

アトピー性皮膚炎では、角層に含まれるセラミドなどの水分を保つための角層間脂質が減少しているため、乾燥肌になっています。
さらに、一部の人ではフィラグリンというタンパクの遺伝子変異により、角層のバリア機能がより弱くなっていることがあります。

かゆみと掻破の悪循環

皮膚は乾燥すると外からの刺激に対して敏感になり、かゆみが生じやすくなります。
かゆみによって皮膚を掻くと、表皮内のかゆみに関わる神経線維が表層へと伸長し、よりかゆみを感じやすい状態になります。
さらに、掻くことで角層やタイトジャンクションといったバリア構造が障害され、刺激やアレルゲン、病原体が侵入しやすくなり、かゆみや炎症が悪化する原因となります。
このような、「かゆい→掻く→さらにかゆくなる」という悪循環はitch-scratch cycle(かゆみと掻破の悪循環)と呼ばれています。

アレルギーマーチ

皮膚のバリア機能の低下は、アレルギー疾患を発症しやすくする一因と考えられています。
乳児期のアトピー性皮膚炎から、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などへと続いていく経過は「アレルギーマーチ」と呼ばれます。

アトピー性皮膚炎の症状|特徴と年代別の症状

アトピー性皮膚炎の症状は、かゆみを伴う湿疹が、体の左右対称に分布し、良くなったり悪くなったり慢性の経過をたどることが特徴です。
一般的に、6ヶ月以上(乳児では2ヶ月以上)が目安とされています。

年齢によって次のような皮疹の特徴がみられます。

年代

症状

乳児期

(0〜2歳頃)

・顔・頭から始まり、じくじくと湿潤・滲出が目立つ
1歳頃から乾燥した湿疹に移行

幼児期・学童期

(2歳〜12歳)

・乾燥が強くなり、
 首、肘や膝の内側などに出やすくなる
・繰り返しの掻破で傷や苔癬化
(皮膚の肥厚・ごわつき)

思春期・成人期

(13歳以上)

・顔、首、胸、背中など上半身に多い
・苔癬化、色素沈着、顔の赤み、慢性的な湿疹
・難治例・重症例も一定数存在

治療の基本|目標と薬物療法、スキンケア、悪化因子の回避

アトピー性皮膚炎の治療目標は、症状がない、または軽症で日常生活に支障がなく、薬の治療もあまり必要としない状態(寛解)に到達し、それを維持することです。

治療は、主に次の3つを組み合わせて行います。
 1.薬物療法(外用、全身療法):外用薬、内服薬、紫外線療法、注射薬
 2.スキンケア:保湿剤でバリア機能を補い、入浴・シャワーなどで皮膚の清潔を保持
 3.悪化因子の回避:ダニやハウスダスト、食べ物、衣類との摩擦、ストレスなど、自身の症状の悪化因子を見つけ、対策をとる

アトピー性皮膚炎治療の薬物療法の進め方|治療ステップ

かゆみや炎症を速やかに抑える

まずは皮膚の炎症とかゆみを十分に抑えることが大切です。

症状の範囲や重症度に応じて、スキンケアや外用薬などを組み合わせ、速やかに症状をコントロールしていきます。

ステロイド外用薬アトピー性皮膚炎治療の基本となる薬剤です。
強さによって5つのランクに分類され、症状の程度や部位によって適切なランクのステロイド薬を選択します。
アトピー性皮膚炎への有効性や安全性が多くの研究で検討されていて、抗炎症外用薬として小児から成人まで第一選択薬として使用されます。
一方で、ステロイドの副作用には次のようなものが知られています。
・局所の副作用:
 赤み(酒さ様皮膚炎)、皮膚萎縮、にきび、ヘルペス・水虫などの皮膚感染症、眼への影響(白内障、緑内障)
・全身性の作用:
 副腎機能抑制など(ランクの高いステロイドの大量および長期使用によりリスクがありますが、実際の診療では全身への影響が出ることは稀です)
治療では、副作用の有無を確認しながら、早期に炎症が抑えられるように症状や部位、年齢に応じた外用薬の選択と塗り方をお伝えしています。

 

中等症以上で外用治療だけでは十分な改善が得られない場合には、シクロスポリン内服、生物学的製剤の皮下注射、ヤヌスキナーゼ内服、紫外線療法などの併用治療を検討します。

アトピー性皮膚炎は様々な要因で症状に波が出やすいため、受診を通して症状の変化や治療の実施状況を確認し、状態に応じた治療法を相談していきます。

<表>主な治療方法の例

治療

外用薬(塗り薬)

ステロイド

タクロリムス(プロトピック)

JAK阻害薬(コレクチム)

PDE4阻害薬(モイゼルト)

AhR調整薬(ブイタマー)

内服薬

抗ヒスタミン薬<補助療法>

免疫調整薬(ネオーラルなど)

JAK阻害薬(リンヴォック、オルミエント、サイバインコ)

紫外線療法(光線療法)

ナローバンドUVB、エキシマ、PUVA

生物学的製剤

IL-4/IL-13受容体抗体(デュピクセント)

IL-31受容体抗体(ミチーガ)

IL-13受容体抗体(アドトラーザ)

JAK阻害内服薬や生物学的製剤は、重症度や年齢、これまでの治療歴など適応条件があります。

中等症〜重症の方に使用する生物学的製剤(注射治療)については別コラムで解説いたします。

良い状態を維持する

症状が良くなった後も、アトピー性皮膚炎の治療はそこで終わりではありません。

バリア機能の低下を背景に刺激を受けて炎症が再燃しやすい状態があるため、バリア機能補修のため保湿剤の継続的な外用が大切です。

また、再燃を予防するため、週2〜3回外用薬を塗るプロアクティブ療法非ステロイド外用薬に移行して外用を継続し、良い皮膚の状態を維持して治療目標を目指します。

まとめ

アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能の低下により、様々な要因により炎症を繰り返しやすい慢性疾患です。
治療では、まず炎症をしっかり抑えること、その後も保湿や外用で再発を防ぐことが重要です。

現在は薬局などでOTC薬が手に入る時代ですが、症状に合わせて「どの薬をどう使うか、いつまで使うか」の判断は簡単ではありません。
そのため、患者さん一人ひとりの状態に応じて、それを判断し、伝えていくことが皮膚科医の存在意義なのかなと感じることがあります。
新しい治療薬も登場し、症状に応じて治療を組み合わせながら、かゆみや皮疹による生活のお悩みを少しずつ減らしていければと思います。
アトピー性皮膚炎の症状や治療でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. かゆみや赤みが良くなったらステロイド外用薬はすぐやめていいですか?
A.見た目がよくなっても皮膚の中では炎症が残っていることがあり、外用薬をやめるとすぐに症状が再燃しやすくなります。また、誤ったタイミングで中止すると症状が悪化することがあります。そのため、医師と相談しながら、徐々に調整していくことが大切です。

Q. ステロイド外用薬を使うと皮膚が黒くなるのですか?
A.ステロイド外用薬の直接的な作用で皮膚が黒くなることはありません。
皮膚は、炎症が起こると生理的にメラニン(茶色い色素)が増加し、治まった後に茶色く炎症後色素沈着として茶色く見えるようになります。
炎症による色素沈着を最小限にするため、適切にステロイド外用薬を使用して早く炎症を抑えることが大切です。

Q. 保湿は症状がないときも必要ですか?
A. 症状が落ち着いている時期でも保湿ケアは大切です。
継続的に保湿剤を塗ることで、元々弱くなっている皮膚のバリア機能を補い、再発の予防につながります。

Q.アトピー性皮膚炎の悪化因子にはどんなものがありますか?
A. 悪化因子やアレルギーに関しては人によって異なりますが、汗、衣類(ウール等)の摩擦、ダニ、ハウスダスト、ペット、ストレスなど様々です。
食物については、明らかな症状がない限り自己判断での制限は推奨されません。気になる場合は、血液検査などで確認することもできます。

Q.アトピー素因とは何ですか?
A.アレルギーを起こしやすい体質のことです。
本人または家族にアレルギー疾患の既往歴(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎など)があったり、アレルギーとの関係性があるIgE抗体を作りやすい体質のことをいいます。

執筆:五反田品川ひらた皮ふ科 平田佳子
皮膚科専門医として、一般皮膚科から美容皮膚科まで診療しています。
症状や患者さんのライフスタイルに合わせ、
一緒により良い皮膚を目指す診療を心がけています。
品川区の五反田・大崎・高輪エリアで皮膚科・美容皮膚科をお探しの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

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