
目次
シミ治療(老人性色素斑・雀卵斑)|IPLとQスイッチルビーレーザーの違い
シミ(老人性色素斑・雀卵斑)の治療|IPLとQスイッチルビーレーザーの違い
シミ治療における基本ケア
シミは、皮膚の一部でメラニンの過剰な産生と蓄積により、周囲よりも濃く見える状態です。
そのためシミ治療では、メラニン産生を抑えることと、
皮膚に蓄積したメラニンの排出を促すことの両方が重要になります。
美容施術を行う場合でも、まずはこの基本的な考え方を理解したうえで治療を進めることが大切です。
紫外線対策
紫外線はメラノサイトを刺激し、メラニン産生を促す最大の要因です。
日常的に浴び続けると、治療を行っても効果が出にくく、新たなシミの原因にもなります。
そのため、日焼け止めの塗布や帽子・日傘などによる紫外線対策は、
シミのタイプを問わず治療の大原則です。
(ただし、遮光を過度に意識しすぎると、皮膚でのビタミンD合成の低下リスクも指摘されています。
季節や生活環境に応じて、食事などからの補給も意識しましょう。)
日々のケアや補助的な治療を組み合わせることで、施術の効果を高め、
シミの再発や炎症後色素沈着のリスクを抑えることができます。
紫外線対策やスキンケアも、治療の一環として考えることが大切です。
美容施術によるシミ治療 ― IPLとQスイッチルビーレーザー
シミの基本ケアを行ったうえで、より直接的な作用を持つ美容施術として、
QスイッチルビーレーザーやIPL(フォトフェイシャル)があります。
これらは、加齢や慢性の紫外線の影響で生じる老人性色素斑(日光黒子)や、
若い頃から頬にできやすい雀卵斑(そばかす)に対して用いられることが多い治療です。
ここでは、それぞれの施術の特徴と違いについてご紹介します。
Qスイッチルビーレーザーの作用
Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素に強く反応するレーザーを短時間照射し、
メラニンを含むメラノサイトを選択的に破壊します。
これにより、シミの原因となるメラニンやメラノサイトを直接減らし、根本的な改善を目指す治療です。
IPL(フォトフェイシャル)の作用
IPLは複数の波長を含む光を照射します。
光がメラニンに吸収されると、軽度の熱作用でメラニンが変性します。
これにより、その後の皮膚ターンオーバーやメラニン排除を促し、
シミを目立ちにくくする治療です。
施術自体は顔全体に照射するため、
シミなどの気になる部分だけでなく、
肌全体のトーンアップや毛穴の引き締めなど、
複合的な効果も期待できます。
当院ではステラM22という機器を導入しており、
波長や照射パターンを、
肌状態や一人ひとりのお悩みに応じてカスタマイズできる点が特徴です。
ダウンタイムと治療経過の違い
◯Qスイッチルビーレーザー
・照射後にかさぶた形成され、
約1〜2週間のテープ保護が必要
・炎症後色素沈着で一過性に色が濃くなり、
その後徐々に薄くなる
・効果は4〜6か月後に評価
◯IPL(フォトフェイシャル)
・ダウンタイムほぼなし、施術後すぐにメイク可能
・1か月ごとの照射を5〜6回行うことで、徐々に改善の実感を得られやすい
※シミ治療は改善までに時間がかかり、
1回の施術だけで完結するものではありません。
実際には、施術に加えて紫外線対策や内服・外用などの日常的なケアを
組み合わせた方が、治療効果が高いという報告が多くあります。
同じ期間を治療に充てるのであれば、
より良い結果を目指すためにも、
施術とあわせて毎日のシミ対策を行うことが大切です。
以下に、QスイッチルビーレーザーとIPLの特徴を比較表にまとめました。
表:<QスイッチルビーレーザーとIPLの比較(目安)>
|
|
Qスイッチルビーレーザー |
IPL(フォトフェイシャル) |
|
シミへの作用 |
メラニンに強く反応し、 |
メラニンの変性、排出促進 |
|
治療回数(目安) |
1〜2回 |
複数回(1か月ごとに5〜6回) |
|
ダウンタイム |
あり(かさぶた、炎症後色素沈着) |
ほぼなし(時に赤み、小さい瘡蓋) |
|
施術後の注意 |
1〜2週間はテープ保護 |
紫外線対策・補助治療も大切 |
|
肝斑がある場合 |
原則行わない |
肝斑治療を行なったうえで、 |
|
その他の効果 |
シミの根本的な改善を目指す |
肌全体のトーンアップ |
|
治療選択の目安 |
境界がはっきりしたシミを、 |
複数のシミや顔全体のくすみを、 |
肝斑がある場合の注意点
肝斑は紫外線だけでなく、ホルモンバランスや摩擦・刺激によりメラニン産生が促進され、悪化します。
肝斑や肝斑近くにあるシミに対して、レーザーや強い光治療をすると肝斑が悪化するリスクがあります。
肝斑では、まずは紫外線対策やトラネキサム酸の内服・スキンケアを優先し、
肝斑に合った施術を選ぶことが重要です。
当院では、内服治療やリバースピールなど、肝斑の状態に応じた治療も行なっています。
内服・外用治療の役割(治療効果を高めるために)
内服薬や外用剤による毎日のシミ治療は、美容施術を支える大きな役割があります。
本記事では、その例を簡単にご紹介します。
<例>
◯メラニン産生を抑える成分
:トラネキサム酸(内服・外用)、ハイドロキノン、ルシノール、コウジ酸(外用)など
メラニンの過剰な産生を抑えることで、シミの進行や再発を防ぐ役割があります。
◯ターンオーバーを整える成分
:L-システイン(内服)、レチノール、トレチノイン(外用)など
皮膚のターンオーバーは通常1か月ほどですが、年齢とともにその間隔は長くなります。
自然とシミが改善しづらくなるため、メラニン産生抑制と合わせて意識してケアすることが大切です。
内服や外用剤については、今後詳しくコラムでお伝えしたいと思います。
最後に
シミ治療では、シミの種類に合わせた治療が必要です。
今回は、老人性色素斑(日光黒子)と雀卵斑の治療選択で迷いやすい、
QスイッチルビーレーザーとIPLの施術内容や違いを中心にお話ししました。
その他の治療や、肝斑治療、シミの種類などについては別の記事でご紹介いたします。
シミは改善まで日々のケアと時間が必要です。
患者さんのご希望やゴールに合わせて、
継続しやすい治療・内服・スキンケアをご提案しています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
執筆:五反田品川ひらた皮ふ科 平田佳子
皮膚科専門医として、一般皮膚科から美容皮膚科まで診療しています。
症状や患者さんのライフスタイルに合わせ、
一緒により良い皮膚を目指す診療を心がけています。
品川区五反田・大崎・高輪エリアで皮膚科・美容皮膚科をお探しの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。




